肘では「テニス肘」や「野球肘」といった使いすぎによる障害がよくみられます。手や肘は、スポーツ時に腕の捻りなど複雑な動作が加わるため、筋肉や腱、靭帯、骨などにストレスがかかり、炎症が起こりやすくなります。これらの痛みは徐々に生じてくるため、ひどくなってからでないと発見されないことがあります。肘はとくに発育期の子どもに特有のスポーツ障害が起こりやすい部位でもあります。
肘
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肘では「テニス肘」や「野球肘」といった使いすぎによる障害がよくみられます。手や肘は、スポーツ時に腕の捻りなど複雑な動作が加わるため、筋肉や腱、靭帯、骨などにストレスがかかり、炎症が起こりやすくなります。これらの痛みは徐々に生じてくるため、ひどくなってからでないと発見されないことがあります。肘はとくに発育期の子どもに特有のスポーツ障害が起こりやすい部位でもあります。
「テニス肘」や「ゴルフ肘」の医学的名称は上腕骨外側上顆炎といいます。肘から前腕には、手首を動かしたり、指を曲げたりする筋肉が重なるように存在し、その中の一つに短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)という筋肉があります。テニスなどで同じ動作(主にバックハンドストローク)を何度も繰り返し、過度な負担がかかることにより、この筋肉に亀裂や炎症が生じて痛みが起こると考えられています。また、ゴルフでクラブを握るといった動作の繰り返しでも発症することがあります。
安静時には痛みは少なく、「タオルを絞る」、「ドアノブを回す」といった手首を曲げたりひねったりする動作で、肘や前腕に痛みを感じます。治療では、肘だけでなく手指や手関節部も安静にします。消炎鎮痛剤の投与と装具療法(テニス肘用バンドなど)を併用する保存的療法が基本となります。
野球肘とは、投球動作の繰り返しによって起こる肘の障害で、肘関節を保護している軟骨や靭帯、筋肉、腱などが損傷する病態の総称です。医学的名称は上腕骨内側上顆炎といいます。肘への負荷が過剰になることが原因で、痛みの部位によって内側型、外側型、後方型に分類されます。
内側型は、肘の内側に過剰な負荷がかかり、靭帯の牽引力によって腱や軟骨が損傷します。代表的な病態には内側側副靱帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)、内側上顆裂離骨折(ないそくじょうかれつりこっせつ)があります。
外側型は、肘の外側にある骨や軟骨が剥がれたり傷んだりすることで炎症や骨折が生じます。代表的な病態には離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)があります。後方型は、上腕骨後方にある凹んだ部分(肘頭窩:ちゅうとうか)にストレスがかかることで、疲労骨折や骨棘(こつきょく)形成が起こります。代表的な病態には肘頭部疲労骨折(ちゅうとうぶひろうこっせつ)があります。
治療では、投球を一時休止して安静に努めます。痛みが治まってきたら医師の指示のもと、競技への復帰と再発予防の観点からリハビリテーションを行います。
肘関節を形成している骨(上腕骨、尺骨、橈骨)の先端は、関節軟骨に覆われており、骨にかかる衝撃を緩和しています。変形性肘関節症は、この関節軟骨がすり減り、壊れることで肘関節が変形していく疾患です。初期は運動などで肘に負荷がかかったときにだけ痛みを感じますが、進行すると着替えや食事などの動作でも痛みを感じるようになります。変形が高度になると、安静時にも痛むようになります。
骨と骨がぶつかり合うことで骨のトゲ(骨棘:こつきょく)ができ、肘の屈伸の動きが制限され日常生活動作に支障がでたり、動かそうとすると激痛が走ったりすることもあります。若いころに野球やテニスなどで肘関節を痛め、のちに50~60歳代になって発症したり、骨折の治療後に変形したりすることもあります。
急性期の治療は、肘をできるだけ動かさずに安静を保ちます。消炎鎮痛剤の投与や患部を温める温熱療法などの保存的治療が基本となります。保存的治療を行うなかで、痛みの持続や骨の変形が認められ、日常生活に支障を来す場合は、手術治療が検討されます。
肘内障は主に乳幼児(1~5歳頃)に多くみられる肘の外傷で、腕を急に引っ張られた際に、肘の関節にある輪状靱帯から橈骨頭が一時的にずれることで起こります。保護者が手を引いたときや、転倒しそうになった際に腕を引き上げたときなど、日常の何気ない動作がきっかけになることが特徴です。発症すると子どもは急に腕を動かさなくなり、痛みのために肘を曲げたまま保持し、無理に動かそうとすると嫌がります。外見上の腫れや変形が少ないため見逃されることもありますが、典型的な経過から診断されることが多い疾患です。
治療は整復操作により短時間で改善することがほとんどで、整復後はすぐに腕を動かせるようになります。後遺症はほとんどありませんが、一度発症すると再発しやすいため、日常生活では腕を強く引っ張らないよう注意が必要です。
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