主な疾患
腱鞘炎(けんしょうえん)
手首や指を動かす腱と、それを包む腱鞘に炎症が起こる状態です。手の使いすぎや繰り返しの動作(パソコン作業、スマートフォン操作、家事、育児など)が原因となることが多く、手首の痛みや動かしたときの違和感、腫れがみられます。進行すると動かすたびに痛みが強くなり、日常生活に支障をきたすこともあります。
治療としては、安静や負担軽減(サポーターの使用など)が基本となります。痛みが強い場合は消炎鎮痛薬の内服や外用薬、必要に応じて注射治療を行うこともあります。再発予防のためには、使い方の見直しやストレッチも重要です。
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
親指を動かす腱の通り道が狭くなり、炎症が起こることで発症します。親指側の手首に痛みが出るのが特徴で、物をつかむ・持ち上げる・ひねるといった動作で痛みが強くなります。育児中の方やスマートフォンの使用頻度が高い方に多くみられます。
治療としては、安静やサポーターの使用が基本で、炎症が強い場合には注射治療が有効なこともあります。改善が乏しい場合には、腱の通り道を広げる手術を検討することもあります。
手根管症候群
手首にある「手根管」というトンネル内で正中神経が圧迫されることで起こる疾患です。親指から中指にかけてのしびれや痛み、感覚の鈍さがみられ、進行すると親指の筋力低下や細かい作業のしづらさが現れます。夜間や明け方に症状が強くなることも特徴です。
治療としては、手首の安静や装具療法、消炎鎮痛薬の使用が基本となります。症状が強い場合には注射治療を行うこともあり、重症例では神経の圧迫を取り除く手術が検討されます。
変形性手関節症
加齢や長年の手の使用、外傷の影響などにより関節の軟骨がすり減り、炎症や変形が生じる疾患です。手首の痛みや動かしにくさ、可動域の低下がみられ、進行すると日常動作に支障をきたすことがあります。治療としては、負担の軽減や装具療法、消炎鎮痛薬の使用など保存療法が中心となります。症状に応じてリハビリテーションを行い、関節の動きを保つことも重要です。重症例では手術療法が検討される場合もあります。
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
手首の小指側にある軟骨や靭帯の複合体(TFCC)が損傷することで起こります。手首をひねる動作や体重をかけたときに痛みが出やすく、ドアノブを回す動作や手をつく動作で症状が悪化することがあります。転倒やスポーツがきっかけになる場合もありますが、日常の繰り返し動作でも発症します。
治療としては、安静やサポーターによる固定が中心となり、痛みが強い場合には薬物療法や注射治療を行います。症状が長引く場合や不安定性が強い場合には、関節鏡手術が検討されることもあります。